「君たちはどう生きるか」から学ぶ 〜自分で判断する大切さ〜
- 2018.08.30
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前回「君たちはどう生きるか」の第1章『へんな経験』からの学びをお伝えしましたが、今回は順を追って第2章『勇ましき友』から何か学べることがないかを考えてみました。
ご存知の方もいるかと思いますが、「漫画 君たちはどう生きるか」は2018年上半期ベストセラー堂々の1位になっていることからも、たくさんの方にその内容が指示されていると言えます。
オレンジウォーカーでは、その本に秘められたメッセージを丹念に1章づつ紹介していければと思っていますので、ぜひ興味ある方はご覧くださいね。
ちなみに、まだ本を読んでいないという方は文庫本でも漫画でも、どちらでも良書と言えるので、ぜひご覧になってくださいね。
※記事は、「君たちはどう生きるか」をご覧になった方を対象に書いております。
『勇ましき友』のあらすじと要点
まずは、簡単にですが第2章のあらすじと、学びのポイントをご紹介していきます。
あらすじ
第2章のエピソードは主人公であるコペル君の学校で起きました。
コペルくんと同じクラスに浦川君という少年がいます。浦川君は貧乏で、いつもお弁当はご飯とおかずに油揚げを持ってきていました。
そんな浦川君の弁当を、クラスの同級生である山口君はじめ、周りの子がこっそりとのぞいており、本人のいない所で「アブラアゲ」というあだ名をつけて、揶揄(やゆ)していました。
そうです!浦川君は山口君やその周りの子に目をつけられて、いじめられていたのです!!
そして、そんな“いじめ”は、さらにエスカレートしていきましたが、しかし、ある日北見君こと「ガッチン」が、いじめを見かねて山口君に殴りかかりにいきます。
喧嘩は北見君優勢ですが、いじめられた本人の浦川君が、自分のために喧嘩していることを見かねて、喧嘩を止めにかかります。
最終的には、先生が来て喧嘩は終わり、それぞれ事情聴取をして「油揚事件」は収まります。
参照元:「漫画 君たちはどう生きるか」『勇ましき友』
その後、コペルくんは、この話をおじさんにします。
話は、勇敢に戦った北見君の肩をもち、浦川君に同情する方向でコペルくん自身が感じたことを素直に話しました。
コペル君は知らず知らずのうちに、自分で見て、考えて、判断しておじさんにそのエピソードを伝えていました。
おじさんはその話に関心して、後日コペル君に立派な大人になってもらえるようメーセッジを残します。
そのメッセージですが、要約すると以下の2点を力説しています。
- 実際に自分の人生の中で、いろいろ経験を積む大切さ
- 自分の心の声から、何が良くて悪いのかを判断することの大切さ
上記結論部分が書かれているところを引用してみると、
今日書いたことは、君には、少しむずかしいかもしれない。しかし、簡単にいってしまえば、いろいろな経験を積みながら、いつでも自分の本心の声を聞こうと努めなさい。ということなんだ。
そこで君は、もう一度あの「油揚事件」を思い出したまえ。
何が君をあんなに感動させたのか。
なぜ、北見君の抗議が、あんなに君を感動させたのか。
山口君をやっつけている北見君を、浦川君が一生懸命とめているのを見て、どうして君が、あんなに心を動かされたのか。参照元:「君たちはどう生きるか」第2章『勇ましき友』 〜真実の経験について〜
2つのポイントを見た上で、おじさんが言いたかったことと、さらに考えを進めて行こうと思います。
経験を積む大切さ
おじさんのメッセージの中に、本当に人間らしい立派な人になるためには、読書や偉い人の話を聞くことだけが大切ではないと言っています。
むしろ、自分で見て触り、感じる経験の方が大切だと主張しています。
理由はシンプルで、実際に経験しないと、本当のところは分からないということだからです。
皆さんも一度は経験あると思いますが、人から聞いた話を鵜呑みにして、実際に体験したら全然違ったなんてこと多々ありますよね。
シンプルですが、意外と現代において経験を積むということが少なくなっています。
身近な例でいくと、口コミサイトなんか、それに当たると思います。インターネットに頼りすぎて、人の評価だけでお店や商品・サービスを選び、気がつくと自分の意見はなくモノを選んでたなんて、ありませんか?
特に、この本が書かれた時代よりも私たちは情報に溢れている社会に住んでいます。他人の意見は参考にしても、やはり最後に耳を傾けるは自分の声になると思います。
ぜひ、ネットや口コミなどで集めた情報に安心せずに、自分の目で、耳でそして感覚で感じてみてはいかがでしょうか。
自分の心の声を聞くことの大切さ
単にモノゴトを経験するだけでは、次の行動にはつながりません。その経験を、どう自分が感じたのかということが、とても大切だとおじさんは話をしています。
こういったこと(人間としてこの世のに生きているということがどれだけ意味があるのか)についてまず肝心なことは、いつでも自分が本当に感じたことや、真実心を動かされたことから出発して、その意味を考えてゆくことだと思う。君が何かしみじみ感じたり、心のそこから思ったことを、少しでもゴマ化してはいけない。そうして、どういう場合に、どういう事について、どんな感じを受けたか、それをよく考えてみるのだ。
そうすると、ある時、ある所で、君がある感動を受けたという、くりかえすことのないただ一度の経験の中に、その時だけにとどまらない意味のあることがわかってくる。それが本当の君の思想というものだ。
参照元:「君たちはどう生きるか」第2章『勇ましき友』 〜真実の経験について〜
おじさんの考えでは、まずそのモノゴトに本当に感じたことや、真実心が動かされた感情部分から出発して、次になぜ感動したのかということを思索として深め、最終的には自分の思想として昇華させるところにポイントがあります。
つまり、体験したことについて、「自分の考え」を持つということが一番大事なことになります!
この「自分の考え」を持つということも、シンプルですが今の社会で忘れがちなことではないでしょうか?
先ほども触れましたように、私たちが住む世界は様々な情報が溢れた情報社会であり、且つインターネットや交通手段など、人と交流する頻度やスピードが飛躍的に発展した社会です。
日々、仕事や勉強など次々とあらわれるタスクに追われ、それが自分にとって快なのか不快なのか、心が動かされたのかなど振り返る暇を失っているように思います。ましてや、その先の自分の心がなぜ、突き動かされたなんて考えにも及ばないかもしれません。
このように、自分の心の声に耳を傾けないと、自分の感情の動きやその先の自分の考えを持つことはなく、人の意見に乗っかってしまったり、流されてしまいがちです。
ここでの学びとしては、今一度経験したことを思い出し、自分がどう感じたのか、そしてなぜそのような感情が湧いてきたかを考え、自分の思想をしっかりと持つことだと思います。
自分の考えの軸さえあれば、今目の前の現象が何が良くて、何が悪いのかということも、判断できてくるはずです。
その日に体験したことを振り返り、自分の心に耳を傾けてみてはいかがでしょうか。
まとめ
以上、2点「君たちはどう生きるか」から学びのポイントを紹介しました。
自分で経験を積むことについて、いつも心地よい経験であれば良いのですが、やはり人生そう良い経験ばかりではありません。時に悲しいこと、苦しいことなど自分にとって辛い経験をすることもあると思います。
ただ、そんな辛い時もぜひ、失敗や悲しみから自分をそらさずに真っ正面から、受け取って見てはどうでしょうか。そういう時こそ、自分の本当の心の声が聞こえてくるチャンスだと思います。
また、そういった苦しい時に心の声を聞き、行動した「自分の判断」の積み重ねこそが、人生を本当に自分の力で歩むということに繋がっていくのだと思います。
ぜひ、今日から自分の心の声を聞く習慣をつけていきましょう!
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