「君たちはどう生きるか」から学ぶ “偉大な人間とはどんな人か”

「君たちはどう生きるか」から学ぶ “偉大な人間とはどんな人か”

今回は、シリーズでお届けしている「君たちはどう生きるか」の第5章『ナポレオンと4人の少年』を題材に、“偉大な人間とはどんな人か”を考えていこうと思います。

皆さんは、偉大な人物はと聞かれたら誰を思い出しますか?

私が思い浮かべるのは、日本人であれば、やはり圧倒的なリーダーシップで中世的な社会を打破し近世社会の道しるべを創った織田信長でしょうか。

ちなみに、アメリカの書籍で「歴史を創った100人」(マイケル・H・ハート著)という著名な書籍があるのですが、タイトルにあるように世界の偉人ベスト100が紹介されています。

その中から、トップ10をみていくと以下のような人物が挙げられているようです。

  1. マホメット (ムハンマド)[宗教家]
  2. アイザック・ニュートン[科学者]
  3. イエスキリスト[宗教家]
  4. ブッダ[宗教家]
  5. 孔子[思想家]
  6. セントポール /キリスト教の改宗者[宗教家]
  7. 蔡倫[紙の発明者]
  8. ヨハングーテンベルグ[活版印刷技術の発明者]
  9. クリストファー・コロンブス[探検家]
  10. アルバートアインシュタイン[科学者]

参照元:マイケル・H・ハート(Michael H. Hart)著『The 100: A Ranking of the Most Influential Persons in History』

上位は宗教家や思想家が多く、次いで発明者や科学者が比較的多いようです。

これらを見ると、人間の生き方や、社会への影響の大きさなどが偉人の条件として挙げられそうですが、はたしてどんな条件を持ち合わせている人物が偉人なのでしょうか?

今回は、そんな“偉人とは?”を「君たちはどう生きるか」のエピソードを通して考えていこうと思います。

ぜひ、チェックして自分自身のライフスタイル(生き方)を考える一助になれればと思っていますので、ご覧くださいね!

※記事は、漫画「君たちはどう生きるか」をご覧になった方を対象に書いております。

『ナポレオンと4人の少年』のあらすじと要点

早速、第5章『ナポレオンと4人の少年』のあらすじ要点をご紹介していきます。

第5章では、コペル君が上級生にぶつかって転んでしまうところから話が始まります。

コペル君がぶつかった不機嫌そうな上級生の3人組は、誰かを探しに下級生のクラスに降りてきている様子でした。

そんな上級生が通り去ると、教室の中からガッチンが神妙な顔つきで現れてきて、コペル君や浦川君、水谷君にナポレオンの伝記を持ってないかを尋ねてきました。

コペル君がガッチンに、なぜナポレオンの伝記を必要とするかを聞き返すと、ガッチンはナポレオンのようになりたいからと答えます。

そこで、コペル君はコペル君のおじさんの家に招くことにしました。おじさんは元編集者をやっていたこともあり書籍がたくさんあるので、きっとナポレオンの伝記も見つかると思ったのでした。

さて、4人はコペル君のおじさんの家に着いて、たくさんの書籍がある中でナポレオンの伝記を探しますが、なかなか見つかりません。

おじさんに聞いても、どうやらナポレオンの伝記はないようです。

コーギー
コーギー
ないなら思わず先に言ってよと突っ込んでみたくなりますが、本の替わりにおじさんが知っているナポレオンの伝記を4人に話してくれました。

ご存知の方もいると思いますが、ナポレオンはわずか10年の間に一人の貧乏将校から皇帝の位まで一息で駆け上ってしまった英雄です。

国内の問題も、外交も一手に引き受け、歴史に残る大戦争も3つも4つも続けざまに指揮をとりました。そのナポレオンの活躍は、彼のどんな状況でも決して屈しない不屈の魂や、信念があったからだと思います。

そんなナポレオンの話を聞いた4人ですが、まずガッチンが奮い立つように立ち上がり皆に告白をします。

実は、ガッチンは今朝、下級生のクラスを見回ってきた上級生に目を着けられていたのでした。

以前、ガッチンは浦川君を助けようとして、いじめっ子の山口君を殴ったことがありました。

その後山口君はガッチンに謝罪を強要してきて、もし謝らなければ自分の兄貴の仲間たちに言って、今後生意気なことができないようにしてやると脅してきたことが、ことの発端になります。

君たちはどう生きるか ナポレオンと4人の少年
参照元:「漫画 君たちはどう生きるか」『ナポレオンと4人の少年』

コーギー
コーギー
山口君、まさに“虎の威を借りる狐”です!

ガッチンの告白を聞いた4人は、対応策を考えます。

まず、水谷君が先生に言った方がよいのではと提案しますが、ガッチンはそれを口実に上級生が殴りにくると返し、その案には乗り気ではありません。

少し沈黙が流れる中、次に提案したのはあのいじめられっ子の浦川君でした。

浦川君の提案は、ガッチンが上級生に呼び出されたら一緒に着いて行って、ガッチンを殴るんなら皆を殴れと言うことで、上級生の心理を揺さぶる作戦でした。上級生もまさか、何も恨みや殴る理由がない人まで殴らないだろうという予想での作戦です。

いじめられっ子だった浦川君の勇気ある作戦案です!

しかし、おじさんはそれでも、上級生が殴ってきたらと返します。

浦川君、少し怖くなったのか黙ってしまいますが、その時コペル君が言葉を発します!

なんと、コペル君がガッチンの前に立って壁になり止めると勇気を奮い立たせます。

そうすると、水谷君や浦川君も賛同し立ち上がり、みんなで覚悟をもっていざという時、ガッチンのために壁になることを約束します。

「漫画 君たちはどう生きるか」『ナポレオンと4人の少年』
参照元:「漫画 君たちはどう生きるか」『ナポレオンと4人の少年』

それを見たコペル君のおじさんは、とても嬉しく感じつつ、同時に自分もコペル君のお父さんに約束したことについて、正面から覚悟をもって受け止めなければならないことを決心しました。

おじさんがコペル君のお父さんと約束したことは、コペル君が立派な大人になるための道しるべになるような本を作ってほしいということでした。

コペル君のお父さんは、病気持ちで自分の命も短いことを悟り、編集者として働いていたコペル君のおじさんにそのことをを託したのでした。

しかし、託されたおじさんはそんな本を書いてくれる人を見つける前に、勤めていた出版社が潰れてしまい約束も果たせずに諦めかけていたのです。

今日、コペル君たちが覚悟をもって上級生に対応しようとする姿に感化されたおじさんは、コペル君のお父さんと約束したことを覚悟をもって果たそうと改めて決心しなおしました。

「本を書く人がみつからないなら、自分で書けばいいだけのことなんだ….!!」

「漫画 君たちはどう生きるか」『ナポレオンと4人の少年』
参照元:「漫画 君たちはどう生きるか」『ナポレオンと4人の少年』

そんな熱い思いを胸におじさんは、今日話題になったナポレオンを例にとって、“偉大な人間とはどんな人か”をいつものノートに書いて、コペル君にメッセージを残すことにしました。

以下、おじさんのメッセージのポイントになります。

偉大な人間とはどんな人か?
・目的を実現していく力
・時流を見極める力
・不正・しがらみを振り切る力

ポイントを確認したところで、偉大な人間に必要な条件をおじさんのノートを借りながら、考察していこうと思います。

目的を実現していく力

目的を実現していく力

私たちが偉人の話を聞くとき、何に心を動かされるのでしょうか?

おじさんの言葉を引用してみます。

コペル君、僕たちがナポレオンの生涯を見て感嘆するのは、そのすばらしい活動力のせいだという。この一事を、君たちは決して忘れてはいけない。

なるほど、人間というものが、これほどすばらしい実行力をあらわすことができるのかと思うと、僕たちは本当に驚かずにはいられない。いや、驚くばかりではない。人間というものに、ある頼もしさを覚えてきさえする。僕たちがナポレオンの伝記を読むと元気になってくるのも、また、いまだにナポレオンの伝記が愛読されているのも、そのせいなんだ。

参照元:「漫画 君たちはどう生きるか」『ナポレオンと4人の少年』

引用にもあるように、ナポレオンに限らずに偉人と言われる人は、その目的や理想に向かっていくときの精力的な活動力に魅力を感じます。

活動力は、世の中に対して何事かの目的をもって実現し行動する力のことです。

よくビジネスの世界でも、成果をだすために必要な条件として、「知識×技術×情熱」があげられますが、この中でも最も大事だといわれているのが「情熱」の「実現しよう」という行動部分になります。

どんな優れた「知識」や「技術」を持っていても行動する力がなければ、何も実現されません。

情熱は多くの場合「目的」によって鼓舞されます。是が非でも実現したい「夢」があなたの情熱の根拠となるでしょう。

また情熱はそれ自体に、「知識・技術」の向上を含みます。情熱無くして、成果を創る事はありえないといっても過言ではありません。

我々が偉人に学ぶ一つ目のポイントとしては、「情熱をもって目的を実現していく力」だと思います。

ぜひ、あなたのライフスタイルを考える時、目的を持ってあなたが成し得たいことを考えてみてはいかがでしょうか。

時流を見極める力

時流を見極める力

2つ目のポイントは、時流を見極める力です。

例え、権力をもったとしても、時代にあわせて人類の進歩に貢献できないのでは偉人や英雄とは言えません。

ナポレオンの前半生は、フランスの封建制の脱却という時流にのったからこそ、封建制がのこっていた周辺諸国との戦いもフランス人民からの指示も受け戦いに勝ち続けられました。

逆にナポレオンの後半生は、自分に盾突くイギリスとの通商を禁じたことで、ヨーロッパ大陸に住む人々を困らせてしまい、結果的にその失策がナポレオン本人を追い込むことになりました。

ビジネスの世界でも、どんなに役職が上がったところで、世の中の時流にあったプランをしていかなければ、お客様はもちろん、自分の部下にも相手をされなくなり、結果、追い込まれてしまいます。

まず、社会全体を見て、お客様について思いをはせ、自分の同僚や部下について考え、最後に自分を省みる。

上記のような思考法でいけば、時流に乗った社会貢献をしていけるのではないでしょうか。

不正・しがらみを振り切る力

不正・しがらみを振り切る力

最後のポイントを見ていきましょう。

まずは、ポイントとなるおじさんの言葉を見ていきます。

人類の進歩と結びつかない英雄的精神も空しいが、英雄的な気魄を欠いた善良さも、同じように空しいことが多いのだ。
君も、いまに、きっと思い当たることがあるだろう。
参照元:「漫画 君たちはどう生きるか」『ナポレオンと4人の少年』

権力者が、たくさんの人を犠牲にして私利私欲のために世の中を動かすことは人類の進歩にとってマイナスのことですが、社会のため、人のためになると分かっていても一歩踏み出す勇気がなく、傍観しているのもまた同じくらいマイナスになると、おじさんは言っています。

これは英雄でなく私のように会社勤めをしている1サラリーマンだからこそ起こる問題かもしれません。

取引先とのしがらみで、より良い選択ができなかったり、上司部下の間に挟まれてしまい止む無く考えていたプランを妥協してしまったりと・・・・・。

しかし、本来はより良い社会を実現するために企業活動はあるべきであり、そうであるならば、そういった不正やしがらみを振り切るためにも英雄的な気魄をもって一歩踏み出す勇気をもち、実現にあたるべきだと思います。

今一度、自分の胸に手を当てて、一歩踏み出す勇気、嫌われる勇気をもって、自分が社会にどのように貢献できるかを考えていきたいですね!

まとめ

以上、「君たちはどう生きるか」の第5章『ナポレオンと4人の少年』をご紹介しました。

偉人と呼ばれる人の条件を考えることで、現代にも通じるリーダーシップ像が浮かび上がってきたと思います。

全て実践していくのは、なかなか困難なことだと思いますが、一つでも今日学んだリーダーシップの条件がクリアできるように実践してみてくださいね。

私もナポレオンのように不屈の魂と行動力を目指して、頑張っていきたいと思います!

さて、物語はコペル君たち4人、そしておじさん、それぞれ目的は違えども同じぐらい固い覚悟を胸に秘めて進んでいきます。

次回もぜひ、「君たちはどう生きるか」からの学びをご覧くださいね。

「君たちはどう生きるか」から学ぶ “貧乏ということについて”