スペイン バルセロナ観光 ~ 天才ガウディの遺風 ~

地中海クルーズ体験記もいよいよ最後の観光地の紹介になります。その最後を飾る場所はスペイン バルセロナです!
スペインは世界でも有数の観光立国で、大変海外から訪れる人が多いです。
どのくらい人気があるかというと、スペインの人口はおよそ4700万人ですが、それに対して近年一番多かった2016年では年間観光者数は8200万人余りの外国人が訪れ、バルセロナではあまりにも観光者が多いためストライキがあったほど人気のある国です。
そして、その中でも特に人気のあるバルセロナは年間約3200万人も訪れるというからビックリです!!ちなみに日本の訪日観光者数は2017年統計で、年間約2900万人なのでバルセロナの都市がいかに人気がある場所かお判りいただけるかと思います!
今回はそんな人気のあるバルセロナから、スペインが生んだ建築の巨匠ガウディの建物を追いながらその魅力をお伝えしていきます。
これから、スペイン旅行を検討している方はぜひ、チェックしてみてくださいね!!
カサ・バトリョ /カサ・ミラ 外観見学
サグラダ・ファミリア 外観・内観見学
アントニ・ガウディ 天才と言われるゆえん
建築を見る前にガウディ知らないよっていう方もいるかと思いますので、さらっと引用からご紹介します。
アントニ・ガウディ
アントニ・ガウディは、スペイン、カタルーニャ出身の建築家。19世紀から20世紀にかけてのモデルニスモ(アール・ヌーヴォー)期のバルセロナを中心に活動した。サグラダ・ファミリア(聖家族教会)・グエル公園(1900-14)・カサ・ミラ(1906-10)をはじめとしたその作品はアントニオ・ガウディの作品群として1984年ユネスコの世界遺産に登録されている。
これだけだと、世界遺産に登録されているぐらい凄いスペインの建築家だけとしか伝わりませんが、私がガウディの伝記を読む中で凄いなという点を別途お伝えします。
自然美を取り入れた構造物
ガウディで一番、私のような建築の素人でもすごいと思うのが植物、動物、怪物、人間など地球上にいる生物の美しさを建築物に取り入れたことです。
その自然美の取り入れ方は単に建築の壁に彫刻やイラストを入れているレベルではありません。建築の外部構造だけではなく内部構造までも自然界がもつ複雑な曲線構造を表現しつつも、建築で必要な構造力学的合理性とも整合性をとって作られているということです。
もちろん、こういったガウディのこだわりには彼自身の中で一つの建築哲学のようなものがあり
「美しい形は構造的に安定している。構造は自然から学ばなければならない」
という所からきているようです。
それでは早速、今回私が実際に見学した建築物だけにはなりますが、いくつかご紹介していきたいと思います。
カサ・バトリョ ドラゴン退治の伝説
ドラゴン退治の伝説とか、いきなりゲーム「ドラゴンクエスト」を彷彿させてるようなタイトルですが、今回見てきたガウディ作「カサ・バトリョ」はもちろんドラクエとは関係ありません(笑)。
スペインのカタルーニャ(地名)の守護聖人であるサン・ジョルディの竜退治の伝説を取り入れたストーリー性を盛り込んだ建築物というのが一説として伝えられています。
なぜ、そのように言われるかというと写真を見てもらうとわかるように各建築パーツ一つ一つがそのストーリーを伝えていると言われます。
- 屋根の一部が背骨のように丸く盛り上がり、まるでドラゴンの背中のように見えること
- 塔は聖人の構える槍を表現されていること
- ファサードの石柱が骨を想起させ、一説によるとこの骨もドラゴンの犠牲になった人や動物たちの骨を表現
- 屋根は竜の鱗を表している
私的には竜退治説がロマンがあって好きなのですが、その他にも謝肉説がありますので触れておきます。
こちらは、さきほど竜の鱗として紹介した屋根をアルルカンの帽子に見立てて、ファサードのバルコニーは仮面、色とりどりのタイルのモザイクが祭りの紙ふぶきを表しているという説になります。
カサ・ミラ 海の美しさを表現した邸宅
続いてガウディが54歳の時に設計したカサ・ミラを見ていきます。
1906年から1910年にかけて実業家のペレ・ミラとその妻ルゼー・セギモンの邸宅として建設され、1984年にユネスコの世界遺産に登録された世界的にも有名な建築物です。
一番の特長としては直線部分をまったくもたない建築物でとても柔らかで優雅な建物となります。壁面の波打つ曲線は地中海をイメージして作られ、バルコニーは波に漂う海藻をモチーフに、柔らかな造形美を表現しています。
また曲線部分は外観だけでなく内側の天井や壁も波打ち、まるで海底洞窟にいるような感じになっています。
ちなみに、完成後オーナーの妻ルゼー・セギモンは、内装の壁面が曲線でピアノを置く場所に困りガウディにクレームを入れたという話が伝わっているぐらい、実用性というよりは芸術性が高い建物になっています。
たしかに、これは住みにくそうです(笑)
サグラダ・ファミリア バルセロナの未完のシンボル
ガウディいや、もはやバルセロナのシンボルといえばサグラダ・ファミリアというぐらい有名な大聖堂です。
ご存知の方も多いですが、サグラダ・ファミリアはガウディが生存中だけではあまりにもその構想の大きさに未だ完成していない、けれど今も建設中になるガウディの最後となる建築物です。
「え?でもガウディがもう生存していないのに建てられるの?」
と思うかもしれませんが、大丈夫です。数々の建築中断の危機はありはしたものの、ガウディの意思を継ぐ人たちの熱い魂により建築が進行しています!
ガウディが亡くなった直後は彼が残した模型や資料などを元に建築が進んでいました。
しかし、その後起こったスペイン内戦の際にほとんど資料は散逸されてしまって建築中断も検討されたようなのですが、職人による口伝えや、外観の大まかなデッサンなど残され、わずかな資料を元にその時代の建築家がガウディの設計構想を推測するといった形で現在も建設が行われています。
そういったガウディの意思を継ごうとしている一人ひとりの熱い思いがあって現在も建築が続けられ、2026年に着工からおよそ144年の歳月をかけ完成予定となります!!
キリストの生涯を刻む教会
サグラダ・ファミリアには2つの門があり、それぞれの門にはキリストの生涯を彫刻で表現されています。早速、写真をご覧ください。
東側の門は「生誕の門」と呼ばれ、。3つの門によって構成され左門が父ヨセフ、中央門がイエス、右門が母マリアを表しています。キリストの誕生から初めての説教を行うまでの逸話が門のアーチ部分から彫刻によって表現されています。
西側の門は「受難の門」と呼ばれ、イエスの最後の晩餐からキリストの磔刑、キリストの昇天までの有名な場面が彫刻されています。また、東門と比べると彫刻も現代彫刻で表現され、力強く印象深いものが並んでいます。
グラデーション豊かなステンドグラス
サグラダ・ファミリアの美しさは外観だけにとどまりません、むしろ内観の美しさは夢の世界に迷い込んだかのように息を呑む美しさがあります。
その美しさの正体は色とりどりのステンドグラスにあります。
光差し込むステンドグラスは赤、オレンジ、青、緑と豊かなグラデーションを成しえながら大聖堂の中を優しく照らし、キリスト教信者ではない方でも神々しさを感じてしまう美しさがあります。
大聖堂入場
大人:13.50ユーロ
※オーディオつきの入場料は、15ユーロ
※10歳以下の小人は無料
尖塔への入場料
4.50ユーロ
※安全上の理由より、6歳以下のお子様及び車椅子をご利用のお客様の入場は禁止されています。14歳以下のお子様は、大人同伴の場合のみ入場が許可されています。
※天候によっては、事前連絡なしに、尖塔へのアクセスが禁止されることがあります。
最後に
以上、スペイン バルセロナのガウディを追う観光ツアーをお届けしました。ガウディの作品は今回紹介した建物以外にもまだまだ、市内にはたくさんありますが、1日で全て周るのは難しいのでぜひ、あらかじめリサーチして絞りこんで周ると良いと思います。
最後に注意点ですが、観光客が多いということでスリ被害なども多発しているようなので、しっかりとスリ対策をたてて楽しい観光にしてくださいね。
私も次回は、少なくともサグラダ・ファミリア完成の2026年にはもう一度見に行きたいと思っています!
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